日本海事センターについて

About

ご挨拶

四面を海で囲まれた我が国では、輸出入貨物量の99%以上を海上輸送が担うなど、経済・社会活動や国民生活における海上輸送の重要性は極めて高く、これを支える我が国の海事産業は大きな役割を果たしています。

COVID-19のパンデミックの影響で、グローバルサプライチェーンの混乱は継続したものの、2022年夏以降、ウクライナ危機を受けた欧州の景気減速、インフレによる米国の消費の冷え込みなどもあり、全体として港湾の混雑は解消し、コンテナ輸送の需給も落ち着いてきました。しかしながら、依然として、エネルギー価格が高騰し、経済安全保障上の対応が迫られるなど、変化の激しい不安定な国際情勢が我が国の海事社会に大きな影響を与えています。また、国際海運においては温暖化ガスの排出削減・脱炭素など地球規模の気候変動対策への取組が喫緊の課題となっています。さらに、遠隔操縦が可能な自動運航船の実用化などの海事イノベーションの推進に向けた様々な取組も進んでいます。

公益財団法人日本海事センターは、海洋国家である我が国の発展に貢献するため、海事関係の各種調査研究・政策提言、海事関係公益事業の支援、海事図書館の運営を3つの柱として活動しています。

2022年3月からは新たにオンラインを活用した「JMC海事振興セミナー」を継続的に開催しています。また、当センターと海事図書館のロゴマークを制作したほか、年間の事業成果をとりまとめた報告書「JMCリポート2021」を発行し、英語版パンフレットも新しく制作するなど、昨今の状況に対応して各種の取組を進めております。今後当センターの事業については、PDCAサイクルに基づき不断に内容の充実を図っていく所存です。
当センターは、流動化する国際情勢や激変する世界経済の動向を踏まえつつ、複雑化する海事関係の諸課題に対して的確に対応していくため、海事社会の中枢的なシンクタンクとして、海事産業界、行政機関および研究機関等の連携と協働に貢献するとともに、海事産業の発展、海事分野の公益事業の推進、海事思想の普及と海事分野の様々な事象への正しい理解の増進のために、ますます大きな貢献を果たしていきたいと考えています。

当センターの取組や活動に対する皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

2023年4月

公益財団法人日本海事センター 会長宿利 正史