日本海事センター 連携プロジェクト

海事教育 具体的取り組み事例

ホーム > 海事教育 具体的取り組み事例 > 海洋教室 > 事例1.帆船「海王丸」における『海洋教室』を体験

事例1.帆船「海王丸」における『海洋教室』を体験

1.概要

2008年11月2日(日)、神戸港第一埠頭に着岸中の帆船「海王丸」において、神戸大学発達科学部附属住吉小・中学校の児童・生徒及び教員並びに保護者合計58名が一般参加者に交ざって財団法人 海技教育財団が独立行政法人 航海訓練所の協力を得て実施している『海洋教室』に参加しました。神戸大学の堀尾尚志副学長や人間発達環境学研究科の教授らもオブザーバー参加しました。

 この『海洋教室』では、参加者を4班に分け、指導員による概要説明の後、「船内探検」「椰子の実での甲板磨き」「セイル展帆」「バウスプリット渡り」「ロープワーク教室」「船内での食事」などの諸活動を体験しました。体験後には、「海王丸」の船長、航海士、機関士の皆さんへの質問タイムも設けられ、帆船や航海に関する子供達の素朴な質問とそれに対する丁寧な回答が交わされました。 jirei_01_img_01.jpg

2.参加者からの感想

参加した児童・生徒並びに保護者から、感想が多数寄せられました。以下はその一部です。

<児童・生徒からの感想>

  • 1日なのにいろいろな体験がありました。私にとっては初めての体験で、みんなで協力したり、1人で高いところに上ったりすることも楽しかったです。(小4・女)
  • 自分の知らないとてもいっぱいの機械が知ることができて良かった。(小4・男)
  • 1日でとても楽しい貴重な体験ができて良かったです。特に、バウスプリット渡りはドキドキで心に残りました。また機会があれば是非来たいです。(小5・女)
  • 今まで体験できなかったことが体験できて、楽しかったし、いい経験になってとてもよかったと思います。(小5・男)
  • 海王丸は今まで乗れなかったところに乗れたり、見られないところを見られたので楽しかった。(小5・男)
  • 今日したことのほとんどが初めての体験で、する前から全部興味があってわくわくしていたし、実際にやってみても楽しかったので、またやってみたいです。(小5・女)
  • テレビなどで見ただけだったものを体験したり、実際に見ることができたので、すごく楽しかったです。(中1・女)
  • 今まで、映画や絵や本などで想像するしかなかった船内を見ることができ、実際にさわることができたので、よい体験でした。(中1・女)
  • 今回の海洋教室で、船内を見たり、バウスプリット渡りなどの体験を通じて、船についていろいろ知ることができました。私が思っていたよりずっと多くの設備があって驚きました。(中1・女)
  • バウスプリット渡りは、だんだん面白くなってきて楽しかったです。乗客としては入ることができないような制御室に行けたこともいい思い出になりました。(中1・男)
  • ロープの結び方がうまくできたり、「○○はこういうことに使う」などが分かったので良かったです。(中1・男)
  • 体験を通して、船上生活がイメージできました。帆を揚げたりするときには「協力は大切だ」と改めて感じました。バウスプリット渡りは開放感があって気持ちよかったです。海洋教室に参加してよかったと思います。(中1・男)
  • 海面上に見えている部分だけでは、あまり物が入らないように見えました。でも、その下の部分あるし、食料をはじめ、すごくたくさんのものが入っていて驚きました。たくさんの信号の旗や、ロープの名前を覚えるのは大変そうですが、とても興味深かったです。今日は楽しかったけど、疲れました。これ以上の労働が毎日あると思うと大変そうです。1日ありがとうございました。(中2・女)

<保護者からの感想>

  • 30年ほど前に先代の海王丸の乗船体験に参加したが、そのときは今回ほど充実したものではなかった。息子はバウスプリットに登ったことや機関室に入れていただいたことに非常に感動しており、参加してよかったと思っている。
  • 今まで見たことも経験したこともない事柄を実際に体験できたこと、このような機会をいただけたことに感謝している。
  • 風の力で走る船はとても美しいと思いました。
  • 一生に一度あるかないかのよい経験をさせてもらった。ありがとうございました。
  • 貴重な時間を子どもたちと過ごせてよかった。親子共々いい経験ができました。
  • 船員の方のキビキビした姿がとても好印象だった。
  • 参加前は9:00~16:00は長いと思っていたが、あっという間の1日だった。食事もおいしかったです。
  • 「船を動かす→チームワーク→各自が自分の役割を理解して、責任を持って実行する」、このことを子どもが少しでも理解してもらえればと思う。

3.教育効果に関する調査

(1)調査方法

この『海洋教室』における体験が参加した児童・生徒に与えた影響を調べるため、神戸大学が試行的に「海のイメージ調査」を行いました。この調査は、参加した児童・生徒に「海」という言葉から思い浮かべることを参加前と参加後にそれぞれ記入してもらい、その比較を通じて、体験が児童・生徒に及ぼした影響をみるもので、「自由連想法」と呼ばれる手法に基づいています。今回の調査では、参加した小学校4年生から中学校3年生までの男女31名を対象に実施しました。

「自由連想法」とは

絵や言葉から連想することを言ってもらい、潜在意識を調査する手法です。もともとフロイトの精神分析の自由連想に由来します。

統計調査などで使われる調査方法の一つで、内容に制限をつけないで行う手法を「自由連想法」、制限をつけるものを「制限連想法」といいいます。また、1つの刺激に対して1つの連想をするものを「個別連想法」、連続して連想するものを「連続連想法」といいます。具体的には商標、ブランド名、会社名、広告などのイメージを測定するときに使われることが多いです。

今回の調査では、体験教室の前後に【海】という語からうかぶ様々なイメージを答えてもらい、体験によってそのイメージ語数やイメージのカテゴリーがどのように変化するかを調べています。

マインドマッピング(Mind Mapping)

マインドマッピング(Mind Mapping)もしくはマインドマップ(Mind Map)は、トニー・ブザンが提唱した、図解表現技法の一つです。ちなみに「マインドマップ」という呼称は、日本国内においてブザン・オーガナイゼーション・リミテッド社によって商標登録されています。

概要

表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げていくことで、発想を延ばしていく図解表現技法です。この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるとされ、注目され始めています。 人間の脳の意味ネットワークと呼ばれる意味記憶の構造によく適合しているので、理解や記憶がしやすいと言われています。

今回の調査でも【海】という語を記入用紙の中心に置き、思いつくかぎりのイメージを答えてもらっています。

「海のイメージ調査」(評価シートPDF)

(2)調査結果(速報)

この調査では、連想語を「自然・地理」「感情・印象」「海洋問題・知識」「活動・仕事」「その他」の5つに分類し、その連想語の『海洋教室』前後における変化を調べています。(下図参照)

どの分類に関しても連想語は増加している中、特に「活動・仕事」に関する連想語が約8割も増加していることは注目に値し、『海洋教室』での体験により海に関わる様々な活動や仕事に連想が及んでいることが見て取れます。(※現在、さらに詳しい分析を行っており、その結果はまとまり次第掲載予定です。)

【海に対するイメージ変化】
jirei_01_img_02.jpg
【事後の連想語の例】
活動・仕事 海水浴、漁業、サーファー、釣り、ヨット、ロープワーク、帆、バウスプリット、潮干狩り など
海洋問題・知識 地球温暖化、ゴミ、海面上昇、赤潮、汚水、エコ、北方領土、輸出入 など
感情・印象 青い、浅い、深い、暖かい、暑い、危ない、うるさい、しょっぱい、こわい、寒い、ゆれる など
自然・地理 嵐、潮風、水、潮水、太平洋、津波、夏、台風、魚、イルカ、イワシ、風、貝、海草、カモメ、砂浜、太陽 など

このページのトップへ