調査・研究関連
当センターの宿利会長が国際海事機関(IMO)事務局長と会談しました。
当センターの宿利会長は、2026年9月24日午後にロンドンのIMOを訪問し、Dominguez事務局長と会談しました。3回目となる対面にDominguez事務局長は喜んで自らの執務室に迎え入れ、当センターの野村上席研究員及び在英国日本大使館の仲澤参事官も同席しました。
冒頭に宿利会長が世界海事大学(WMU)の入学式に参加してきたこと、そしてWMUが過去最多145名の新入生を迎え、女性比率が過半となったことに祝意を述べ、WMU教職員及びIMOの尽力を労うと、同大学の総長でもある事務局長は誇らしげでした。また、宿利会長が来たる11月25日にSTCW条約をテーマとするセミナーをWMUと東京で共催する計画を伝えると、事務局長は、歓迎の意を示し、日本の政府関係者がそこで得た知見を更にIMOでの検討にフィードバックしてもらえれば有難いと期待を示しました。
2050年頃に国際海運による温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロを目指す中期対策(ネットゼロフレームワーク)について見解を問うと、事務局長は、「合意に向けた交渉が加盟国間で活発に行われており、中でも日本政府による具体的な提案は、折衷案として注目を集め最も検討されている。今年の10月か11月、あるいは来年早々にまとまるのではないか。」と答えました。
宿利会長がホルムズ海峡の実質的閉鎖が日本及び世界に与える影響の大きさを踏まえ、運輸総合研究所(JTTRI)として2026年7月7日に「日本経済を支える国際海上輸送ネットワークの戦略的確保に関する提言」を金子恭之国土交通大臣へ手交したことを伝えると、事務局長は、「IMOとしては実務的にできることはすべて行ってきたが、あの海峡を通る海運を完全に代替しうる手段はなく、食料やエネルギーの安全保障が脅かされている。世界の最高レベルにおける政治的意思によってこそ解決が可能な問題であることをIMO加盟国に伝えている。」と述べつつ、JTTRIの取り組みは世界の海上安全保障に繋がるものと評価しました。
また、宿利会長は、当センターが日本の海事産業全般についての再興策を委員会で議論し、それをとりまとめた「日本の海事産業の再興に向けた提言」を2026年3月11日に金子大臣に手交したことも伝えると、事務局長は、当センター及びJTTRIの調査研究活動が日本政府によるIMOでの積極的な活動を支えているとして感謝を示しつつ、今後も引き続きそのような活動を通じてIMOを支援してもらいたいと述べるなどして、予定時間を超えて続けられた会談は双方笑顔で締めくくられました。
(中央右:Dominguez事務局長、中央左:宿利会長)